コラム

埋没毛の取り出し方・治し方は?埋もれ毛の原因や腫れた場合の対処と予防法を解説

埋没毛とはどういうものなのか?埋もれ毛になる原因やできやすい場所、埋没毛ができた場合の取り出し方や埋もれ毛ができてしまった際の治し方をご紹介しています。

くるくるした埋没毛などの種類や、埋没毛を放置すると悪化・炎症する可能性と、赤く腫れてしまった場合の対処法、埋没毛・埋もれ毛の予防法も解説しているのでチェックしてみてください。

埋没毛とは?埋もれ毛になる原因

埋もれ毛の原因は?

埋没毛とはなにか、なぜできてしまうのか、埋もれ毛になる原因とできやすい部位を解説します。

埋没毛(まいぼつもう)になるメカニズム

埋没毛(まいぼつもう)とは、皮膚表面に生えてくるはずの体毛が、何らかの原因によって毛穴が塞がれ皮膚の中に埋もれたまま成長してしまった「埋もれ毛」のことをいいます。

埋没毛になってしまう原因はいくつか挙げられ ・皮膚の損傷 ・乾燥 ・肌荒れ ・角質肥厚 などにより皮膚のターンオーバーが乱れることでできると言われています。

埋没毛の原因まとめ

ターンオーバーとは、新しい皮膚が生まれて古い皮膚がはがれ落ちるサイクルのことです。ターンオーバーを日本語にわかりやすく置き換えると肌の新陳代謝を指します。

特に、埋没毛になってしまう要因としては、カミソリやピンセット、除毛クリームなどで自己処理を行った場合が多いようです。

カミソリを使用した剃毛

カミソリでの自己処理はお風呂で手軽に剃れるため多くの人が使用していますが、手軽さの反面で、毛のみならずわずかながらも肌表面も削っています。

そのため、肌が乾燥しやすくなり、肌のターンオーバーが乱れて角質層が厚くなることで毛穴が塞がれ、埋没毛になりやすくなります。

ピンセットやワックスで毛を抜く

ピンセットやワックスでの毛抜きは毛穴の黒ずみなどが気にならなくなることから、自己処理で毛を抜いてしまう人も多くいると思います。

ピンセットやワックスでの自己処理は、無理やり毛を抜いてしまうことにより、毛根が傷つくことで肌のターンオーバーが乱れ、角質層が厚くなり毛穴を塞いでしまいます。
特に、ワックスを使用した除毛は、毛を一気に抜くことによる毛根へのダメージに加え、皮膚表面も剥がしてしまうことにより、埋没毛になりやすくなります。

除毛クリームで毛を溶かす

除毛クリームは毛を溶かす成分が含まれたクリームを肌に塗り、数分後に落とすだけで除毛が行える自己処理法です。

一見安全に思えますが、除毛クリームには毛(タンパク質)を溶かす強いアルカリ性の薬剤が含まれているため、肌への負担も大きいです。
そのため、肌表面の皮膚も溶かしている可能性があり、それにより肌が乾燥しターンオーバーが乱れることで埋没毛になりやすくなります。

これらの自己処理方法は、自分で簡単にできてしまうため使用する人も多くいると思いますが、埋没毛になる原因に繋がります。
埋没毛にならないようにするためには、自己処理の頻度を減らしたり、肌に負担を与えてしまうような自己処理の方法を変えるようにすると良いでしょう。

埋没毛ができやすい場所はある?

埋没毛は毛が生えている場所であればどこにでもできてしまいますが、できやすいと言われている部位は以下があげられます。

埋没毛ができやすい部位
・ワキの下 ・VIO ・ひざ下 ・腕 ・大腿 ・眉毛 ・ヒゲ(男性の顎)

埋没毛は「皮膚が柔らかい部分」「硬い毛が生えている部分」「自己処理を頻繁に行う部分」にできやすい傾向があります。
体のなかでも自己処理の頻度が多い脇や腕、膝などにできやすく、毛質が硬く皮膚が柔らかいVIOにも埋没毛ができやすいです。

また、埋没毛にはくるくると渦を巻いたようなものから皮膚に深く埋まっているものなど、いくつか種類があります。

埋没毛はくるくるしてる?埋もれ毛の種類

埋没毛・埋もれ毛の種類
毛がくるくると渦をまくような埋没毛 皮膚と平行に成長する長い埋没毛
毛がくるくると渦をまくような埋没毛のイラスト
皮膚と平行に成長する長い埋没毛のイラスト
肌の下で毛が埋もれたままくるくると渦を巻いたように成長したもの。
皮膚の浅い部分にできたり、毛が塊になり皮膚が盛り上がっている場合もある。
肌の下で毛がそのまま伸び、毛先が皮膚表面から出られず肌の表面を這うように成長したもの。
毛が深くうまり毛先のみが皮膚からでている埋没毛 毛先のみが皮膚に埋もれた埋没毛
毛が深くうまり毛先のみが皮膚からでている埋没毛のイラスト
毛先のみが皮膚に埋もれた埋没毛のイラスト
毛が肌の深いところで成長し、毛先のみが皮膚から出ているもの。
毛を無理に抜いてしまうと途中で切れる場合がある。
毛先のみが皮膚に埋もれ、途中の毛が表に出ているもの。

埋没毛の種類は上記のようにいくつかパターンがあります。
いずれも毛が皮膚に埋まっている状態のため、埋没毛を見付けても無理に抜くことはやめましょう。

放置すると埋没毛が炎症・悪化する可能性もあり

埋没毛を放置すると炎症のおそれ有

ただし、埋没毛は放置してしまうと炎症を起こしたり悪化してしまう場合があります。
埋没毛が炎症・悪化してしまうとどのような状態になってしまうのか、以下を確認してみましょう。

埋没毛が炎症すると毛嚢炎(もうのうえん)になる

埋没毛をそのまま放置してしまうと、皮下でそのまま毛が伸び続け、それによって皮下の細胞が傷つけられることで、ニキビや吹き出物に似た毛嚢炎(もうのうえん)を起こしてしまう場合があります。

毛嚢炎は、患部を必要以上に触ったりしなければ自然に治癒することがほとんどですが、痛みなどの炎症が続く場合には、皮膚科などで適切な治療を受けるようにしましょう。

毛嚢炎の説明

炎症を繰り返すとしこり・粉瘤(ふんりゅう)になる場合もあり

埋没毛が炎症を起こし自然に治癒したとしても、治ったあとにしこりができてしまうケースがあります。
このしこりは、埋没毛によって刺激された周辺の組織に血液が集まり硬くなった状態で、症状によっては医療機関でしこりを取り除く外科手術が必要になる場合があります

また、毛穴が塞がれる状態が続いてしまうと、ターンオーバーによって排出されるはずの皮脂や皮膚が毛穴に袋状に溜まってしまう粉瘤(ふんりゅう)」というものに悪化してしまう場合もあります。

この状態で放置してしまうと、炎症を繰り返したり徐々に大きくなってしまい、外科手術などで取り出す処置が必要になる可能性があります。
粉瘤の手術には様々な施術法があり、大きさによっては切開して組織ごと取り出す手術が必要になるため、初期の段階で病院を受診するようにしましょう。

粉瘤の説明

埋没毛が赤く腫れた場合の対処法

埋没毛が赤く腫れている場合には、刺激を与えずに保湿を行っていれば自然と治癒することがほとんどです。
しかし、痛みや腫れが続いたり、徐々にひどくなっている場合には、埋没毛が悪化し炎症を起こしている可能性があります。

無理に押し出すなど刺激を与えてしまうと、炎症がひどくなったり感染症を起こしてしまう可能性があるため、皮膚科を受診し、適切な治療を受けるようにしましょう。

埋没毛の治療について

埋没毛が悪化してしまった場合の治療薬には、主に塗り薬や抗生剤などの内服薬が処方されます。

埋没毛は保険適用で治療が行えるため、腫れが続いている場合には自分で無理にいじらずに皮膚科などの病院を受診しましょう。

ただし、「しこり」や「粉瘤(ふんりゅう)」などがある場合には、外科手術などで取り出す処置が必要になるため、それによって費用もかかるということを覚えておきましょう。

埋没毛・埋もれ毛の予防法

埋没毛の予防

埋没毛になる原因はほとんどが自己処理と言われていますが、自己処理を怠ってしまうと露出の多くなる夏場は特に気になりますよね。
自己処理を減らすことは難しいと思いますので、自己処理後に埋没毛にならないようにするために、予防として以下のことを行ってみてください。

埋もれ毛予防のために自己処理の方法を変える

自己処理方法を変える

カミソリや毛抜きは皮膚や毛穴を傷つけ埋没毛の原因になるため、電気シェーバーを使用した自己処理がおすすめです。
電気シェーバーは刃が直接肌に触れない作りになっており、カミソリや毛抜きと比べても肌や毛穴への負担を減らすことができます
肌表面を削ったり毛根を傷つけることがなく、埋没毛になるのを防ぐことができるので、電気シェーバーでの自己処理法に変えてみるとよいでしょう。

電気シェーバーは家電量販店や楽天、Amazonなどのネットでも購入できるので、探してみてください。

保湿クリームを塗って埋没毛対策

保湿クリームを塗る

肌の乾燥はターンオーバーの乱れに繋がり、埋没毛ができやすい環境になってしまうため、自己処理後は必ず保湿クリームやジェルなどで肌を保湿しましょう。
肌の保湿は、ターンオーバーを正常に保つサポートになるため、自己処理後は普段よりも保湿を入念に行い、埋没毛ができにくくなるよう肌を整えることが大切です。

保湿クリームやジェルはドラッグストアなどでも手ごろな値段で購入でき、誰でも簡単にできるので取り入れてみてくださ。

自己処理が楽になる脱毛を受ける

脱毛をする

自己処理の方法によっては肌や毛穴に負担をかけてしまい、さらに埋没毛になる確率を高めてしまうため、埋没毛を防ぐ方法のひとつとして脱毛を受けるのもおすすめです。

脱毛は、毛の成長に関わるバルジ領域やメラニン色素に作用し、回数を重ねることで徐々に脱毛効果が期待できます

脱毛を受けることによって、自己処理の頻度や肌と毛穴への負担も減らせるため、埋没毛になるのを防ぎたい方は脱毛も視野に入れて検討してみるといいでしょう。

埋没毛の取り出し方は?埋もれ毛の治し方

埋没毛の治療法

埋没毛は前述したとおり、毛が生えているところであればどこでもできてしまうので、埋没毛になってしまった場合の取り出し方・治し方を解説します。

埋没毛はピンセットや針で出してもいい?

埋没毛は悪化してしまうと、毛嚢炎やしこりができてしまうため、見付けたらすぐに取り出したいという方も多いと思います。
しかし、ピンセットや爪などで無理に抜いてしまうと、出血や炎症が起きてしまったり、感染症などで化膿してしまう場合があります。

さらに、無理やり引き抜くことで新しい毛が生えても繰り返し埋没毛になってしまう可能性があるため、埋没毛を見付けても自分で無理に取り出すのはやめましょう

埋没毛の取り出し方は以下で説明しているので確認してみてください。

自然に皮膚がターンオーバーするを待つ・スクラブなどの使用も可

埋没毛を取り出すもっとも簡単な方法としては、皮膚が自然にターンオーバーするのを待つことです。
皮膚は常に基底層で角化細胞が作られており、少しずつ上へ押し出されることで、古くなった皮膚は垢として自然に剥がれ落ちる「ターンオーバー」を繰り返しています。
また、ターンオーバーのサイクルは健康な20代の方で約28日周期、30代~40代の方では約45日周期と言われています。
この肌が生まれ変わるサイクルによって、埋没毛になってしまっても1ヶ月~2ヶ月程度で自然に治ることがほとんどのため、皮膚が自然にターンオーバーするのを待つのもよいでしょう。

年代ごとの健康な肌のターンオーバー周期の図解

どうしても気になるという場合には、市販で販売されているピーリングやスクラブを使用するのもおすすめです。
ピーリングやスクラブは厚くなってしまった角質を柔らかくし徐々に剥がすサポートを行ってくれるため、埋没毛の改善に効果が期待できます。
ただし、ピーリングやスクラブのやりすぎは肌の乾燥やターンオーバーの乱れに繋がるため、週に1~2回を目安に取り入れてみてください。

皮膚科や美容皮膚科などの病院でサリチル酸ピーリングを受ける

埋没毛を早く治したいという場合には、皮膚科や美容皮膚科などの病院でサリチル酸やピーリングを受けるのもおすすめです。

医療機関で扱っているサリチル酸やピーリング剤は、ニキビの治療にも用いられることが多く、患部の皮膚を柔らかくし溜まった角質を取り除くことができます。

深く埋まってしまった埋没毛に関しては、状態によって切開などで取り出す場合がありますが、埋没毛が悪化する前に治したいという方は、皮膚科や美容皮膚科などへの受診も検討してみるといいでしょう。

埋没毛は脱毛で治る!?レーザー脱毛後はどうなるか効果を解説

埋没毛のレーザー脱毛後は?

前述しているとおり、埋没毛は体毛がある部分であればどこでもできてしまいますが、埋没毛は脱毛を受けることで改善される可能性があります。

脱毛には、脱毛サロンでの光脱毛と医療機関での医療脱毛の2つがありますが、脱毛サロンでは施術により炎症が起きてしまっても対処できない場合が多いため、基本的に埋没毛を避けて照射を行うところがほとんどのようです。

一方で、医療脱毛クリニックで取り扱っている脱毛機は、毛の成長に関わる毛乳頭細胞やバルジ領域をターゲットとしているため、埋没毛がある肌にも照射が可能で脱毛効果が期待できます

バルジ領域とは2000年~2001年に発見された毛の生成に関する比較的、新しい概念です。
このバルジ領域に存在する2つの細胞が、毛根に発毛の指令を出しているのです。

また、医療脱毛を行うことにより自己処理の頻度も減り、肌や毛穴への負担も軽減されるため、自己処理によって生じる埋没毛を防ぐことができるでしょう。

医療脱毛と埋没毛

埋没毛がある部分に照射を行う場合には、火傷のリスクを避けるため出力が低く設定され、埋もれ毛にはレーザーが届きにくいうえに照射を行っても皮膚のターンオーバーによって自然と抜け落ちるまで待つ必要があることから、通常に生えている毛よりも効果実感に時間がかかるということを理解しておきましょう。

尚、埋没毛が炎症を起こしている場合には、悪化を防ぐためにその部分のみを避けて照射を行います。埋没毛の状態によっては、医療脱毛クリニックによっては相談が必要になる場合があるので、カウンセリングや診察時に相談してみてください。

埋没毛の取り出し方・治し方~まとめ~

埋没毛は体毛が生えている部分であればどこにでもできる可能性がありますが、埋没毛になる原因の多くは自己処理の方法とも言われています。

埋没毛は肌のターンオーバーで自然に治るものですが、自分でピンセットなどで無理に取り出してしまうと、埋没毛を繰り返したり感染症を起こす恐れがあり、放置してしまうと毛嚢炎や粉瘤に悪化してしまう可能性があります。
埋没毛になってしまった場合には、市販のスクラブを使用したり、皮膚科などの病院でピーリングなどを受けるといいでしょう。

埋没毛は、電気シェーバーの使用や肌の保湿、脱毛での予防することができますが、その中でも脱毛は、自己処理の回数や肌・毛穴への負担も軽減できることから、埋没毛を防ぎたいと考えてる方は、脱毛も視野に入れて検討してみてくださいね。